2008年01月06日

【正月休みスポーツ観戦記 Vol.4】箱根駅伝

正月シリーズ(?)最後は、箱根駅伝。
駅伝完全否定派の私がわざわざ書くのですから、当然話題はこれ。

史上初、3校途中棄権=指導法などに批判も−箱根駅伝



関東学連のアホ会長のコメントは、この手の学生スポーツのトップに共通する当事者意識のなさと甚だしい時代錯誤が如実に現れた典型的なものとしてある意味賞賛に値しますが、神奈川大の監督のコメントは一理あるでしょう。
掌返しが得意なメディアの一部からは加熱気味の報道に関して苦言を呈したり、男子マラソン不振の原因を駅伝に求めたりする声もあがっていますが、そんなことは私はもう既に5年以上も前からずっと主張していることだったりします。遅いよ。

アリバイ証明じゃないですが、3年前にもちゃぶろ時代の本blogで、箱根駅伝大罪論についてのエントリをあげてます。
ちゃぶろのログはもうすぐ消えちゃうらしいのでここに全文転載。

箱根駅伝の大罪


今年もまた讀賣及び日テレの拡販ショーと化した箱根駅伝が、一人の有望な若手選手を潰そうとしている。

1区を走った中大の「スーパールーキー」上野裕一郎は、7キロ付近から遅れ始め、ゴール手前では何度も足を押さえる仕草を見せる。どう見ても足の故障としか思えない。
上野はゴールと同時に救急車で病院に運ばれたという。
日テレの糞アナウンサーは「上野は熱があったとのことです」などと、大嘘を垂れ流す。
百歩譲って、本当に熱があったかもしれないけど、あれはどー考えても熱のせいじゃないだろ?

上野は故障していたのだ。
故障をおして走ったのだ。

ふらつく上野の姿を見て、中村祐二のことが頭をよぎったのは自分だけではないだろう。
もうたくさんだ。



自分は長らく駅伝という競技が日本の有望な陸上長距離選手の正常な成長を妨げているのではないかという気がしている。

特に箱根駅伝はひどい。
昔から大学の陸上部というのは非科学的な精神論がはびこるひどい状態だったようだが、日テレがイマイチ盛り上がらない高校サッカーに代わる正月のメインスポーツコンテンツとして箱根駅伝をプッシュし始めてから、余計にひどくなった。

箱根駅伝なんて、10数年前までは、マイナーなローカル競技でしかなかった。
そもそもあれは「関東」大学選手権なのである。
大学日本選手権は通称「伊勢駅伝」と呼ばれてて、本来ならば、そちらの方が権威があるわけである(まぁ、実際には陸上長距離は関東の大学の方が圧倒的に強いので、昔から伊勢の権威はあまり高くなかったのだけど)。

見る側とすれば駅伝が面白いのはわかる。
マラソンのようにただ走ってるのを見るのだってそれなりに面白いわけで、これにリレー形式でのチーム対抗競技性が付与されれば、確かに見るスポーツとしての興奮度は大きく上がる。
チームのために限界を超えて激走する姿に感動を覚えないといえば嘘になる。

しかし、残念ながら、駅伝でいくら頑張っても世界とは戦えない。

箱根を走った後、世界一流の長距離走者になったのは瀬古一人だけだと言っていい。(1/4追記:突っ込まれる前に訂正。谷口と新宅も追加しときます)
その瀬古にしても、世界の潮流からすれば随分早くにピークを迎えてしまった。
武井も櫛部も渡辺も中村祐二も藤田も、世界を制することは出来なかった。
そして恐らくは、三代もできないだろう。

これは偶然ではないと思う。
20歳近辺で過度のストレスを抱いて、身体に過負荷をかけるような競技を行うことが、30歳あたりでピークを迎えるはずの競技をやっている選手の成長にとって良いはずがない。
悪いことは言わない。
まだ前途ある有望な陸上選手たちよ、箱根をボイコットしろ。

そして、“ビッグマウス”上野には、今までの悪しき伝統を覆すような再出発を期待したい。
大学なんか辞めて実業団でトラックに専念しろ。
君は、自分で公言している通り、陸上を始めて2年で高校記録を更新するような天才なのだ。
凡人どもが、テレビ局に乗せられて凌ぎを削っているようなレベルの低いかけっこにうつつを抜かしてる場合じゃない。





と、一通り煽った後で、もう少し柔和な見解を。

かつて甲子園優勝投手は大成しないと言われた。
伸び盛りの10代後半に真夏の炎天下で連投させられるわけだから、そりゃ、選手生命も縮むのが道理だろう。
で、高校野球は興行と選手の適切な育成という2つの命題を両立させるために複数投手制を推奨、事前検査により、故障が発見された投手の投球禁止といった処置を採るようにした。
あれだけ金儲け第一主義の高野連でもできることが、関東学連にできないとは思えない。
過負荷を減らすためにも区間短縮か、分割が望まれる(この時期の選手だと出雲くらいの長さがちょうど良いと思うんだよね)。と同時に、事前検査を厳密にして故障が発覚した選手を出場停止にする。
別に大手町から始めて、芦ノ湖で終わる必要もないはず。
そもそも20Kmの間に800mも上ったり下ったりするコースはナンセンス。
横浜から小田原あたりまで行って帰るんで十分じゃない?


このエントリを今読むと、まず最初に「上野も結局普通のランナーになっちゃったなあ」という感想が浮かぶわけですが、それはさておき。

今でも自分は上のエントリで書いたのと同じようなことを考えているのですが、その線に沿うと、棄権する選手が増えるのは正常であり、良いことなんじゃないかと思うわけです。
マラソンだって大きな大会になれば数人は必ず棄権します。
たとえばオリンピックのマラソンなんかだと、毎回必ずと言っていいほど本命視された選手が棄権していると言っても過言ではないでしょう。
スピード化が進んでいるので、当然調整に失敗した選手はついていけない可能性が高くなります。
史上最多の3人が棄権したということで「指導法に批判」なんて書かれてますが、むしろ昔は故障しても無理やり最後まで走らせてたりしてたわけで、それに比べれば棄権させる方が「指導法」としては正しいと言えるでしょう。
もちろん、コンディション作りに失敗してるわけですからその点は責められるべきなのかもしれませんが、どんなに「指導」してもコンディションを完璧に調整することなんて不可能です。どっちかというと選手層を厚くして、コンディションの良い選手を選出すると言う方が現実的でしょう。
そーゆー意味では大学駅伝の裾野が広がったことで、選手が分散する傾向にあることも今回の件の一因と言えそうです。
区間記録が続々と更新されているように全体的にスピード化の傾向は強まっていて、レースのレベルとしては上がっているのでしょうが、予選会で落選した大学の選抜チームである学連選抜が上位を占めたことからもわかるように有力選手は分散する傾向にあるため、実際に箱根を走る選手のレベルは下がっている可能性が高いわけです。
レースレベルが上がって、選手のレベルが下がってるわけですから、ついていけずに棄権する選手が増えるのは当然。
そんなに棄権する選手が出るのが嫌なら、参加校か距離か区間を減らせばいいんじゃないですかね。参加する選手を減らすか走る距離を減らすかすれば棄権する選手も減るでしょう。
そんだけのことです。

ま、たぶんできないでしょうけど。


タグ:駅伝 陸上
posted by H5 at 02:00| Comment(2) | TrackBack(1) | Sports | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます

200人もの選手がハーフマラソンを行うわけですから、調整ミスが出て当然だと思うのですがねぇ
往路か復路だけを10人で行うようにするとかしないと、棄権校は減らないでしょうね。
どうしても現行の体制を維持したいなら、参加人数を大幅に増やすとか

それにしても箱根駅伝の給水システムがこんなにヤバイものだとは知りませんでした
関東学連の会長様は給水無しでも走ってしまうスーパーマンでおられるようですので、改善される可能性は低そうですけど
Posted by ぶよん at 2008年01月06日 19:37
>ぶよん様
>200人もの選手がハーフマラソンを行うわけですから、調整ミスが出て当然

そーですよねえ。何であんな長い距離走らせたがるんでしょ?
全体距離を短縮せずに、参加人数を増やすのはダメだと思いますよ。人数増えればコンディション整えられない選手が出る確率が増えると思うんで。
ま、一人400mずつとかにすれば大丈夫だと思いますが、そーすると1チーム500人くらい必要になるのかw
それはそれで面白そうですけど。

給水システムについてはこれでも改善されたんですよね。以前は給水NGという殺人的なルールでしたから。
時代錯誤もいい加減にしろって感じです。
こんな糞競技を煽る主催者に問題があるのは言うまでもないですが、無自覚かつ無責任に楽しんで見る側の意識の低さにも問題があると思いますね。
Posted by H5 at 2008年01月07日 00:38
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Tracked: 2008-01-07 12:58