こーゆー時だけこのスポーツについて語るのは、いかにも時流に乗っかってるだけのような気がして、かつてこのスポーツのファンだったと自負している者として面映い面もあるのですが、それでもこれだけのことが起こってしまったことに対して何も書かないではいられないので、簡単に思うところを書き止めておきます。
実は自分はこの試合はどう転んでもボクシングとして面白いものになるとは思えなかったので、スルーしてました。
なので、結果を聞いた時はホッとした、というのが正直なところです。
チャンピオンの目が狙われるだろうというのはある程度予想はしていました(この無謀なマッチメイクを急いだ理由は「最年少云々」よりそちらの比重が大きかったのでしょうし)。
しかし、パンチで目を狙うならまだしも、相手を持ち上げて押し倒した上にサミングとなると、これはもうボクシングではありません。
試合の内容を伝える記述のあまりのひどさに驚き、呆れ、そして多少の憤りも感じたので、試合を一通りYouTubeで確認したのですが、これは一見してひどいものだとわかりました。
完全なミスマッチです。
反則行為自体はよく見ていると後半(6ラウンドあたり?)から頻発するのがわかりますが、それ以前に技術が圧倒的に足りないことが一目瞭然。
両腕でガードしながら頭を下げて突っ込んで行くあのスタイルではコンビネーション・パンチはまず打てませんから、必然的にパンチは単発になります。一発は当たるかもしれませんが、よほどの幸運がない限り、相手にダメージを与えるような効果的なパンチは出せないでしょう。それでも手数を出せば印象も違うのでしょうが、パンチを貰うのを怖がって手が出ない状態では勝負になりません。
長男は、あの疑惑の判定のせいで過小評価されがちですが、当然のことながら(ジャブを除けば)基本的な技術は身に付けてますし、年齢の割りにクレバーなボクシングができるタイプで、世界ランカークラスの力は充分にあると思うのですが、この次男はどー見ても世界ランカーには不釣合いな才能と実力しか持っていないことが明白です。
このレベルの選手をこの完成度で世界戦のリングに上げてしまったこと(ひいては勝利を期待したこと)が最大の問題だとすれば、その責は必ずしもあの親子だけに負わせるわけにはいかないのではないか、というのが私見。
兄弟揃って世界チャンピオンというストーリーは確かに話題性はあるでしょうが、そのための玉としてはこの次男はあまりに質が悪すぎました。まあ、兄が「元」世界チャンピオンと言うのも現時点では事実ではあるものの明らかに過大な称号ではあるわけですが、弟はそれをことを夢想することすら許されないレベルにしか達していませんでした。
そーゆー無謀なプロットを書いた人たちに、責任がないとは到底言えないでしょう。
もちろん、反則行為を働いた当人たちが厳罰に処されるのは当然です。
しかし、反則行為自体は今回始まったことではありません。そのような行為を許容、あるいは助長することで、無敗の強豪という虚像を作り出してきた人たちの責任が全く問われないのは不自然です。
すなわち、TBSのスポーツ局は腹を切って死ぬべきです。
実効的な罰則を与える法的根拠はありませんが、仮にも社会の公器である以上、自ら律する必要があると思います。
この処分を受けて、TBSスポーツ局はきっちりと謝罪すべきです。
少なくとも、純粋にボクシングを愛する人たちに対しては。